“Jumokuso” 桜の木の下で

“Jumokuso” 桜の木の下で

コロナが流行中で、テレビはどこもコロナばかり。その中でも、Document 72 Hours on NHK WORLD-JAPAN「Jumokuso; Resting Beneath a Cherry Tree」は、最近見たテレビの中で、すごく考えさせられるテーマだった。日本語では、NHKドキュメント72時間「樹木葬 桜の木の下で」

今まで、あまり”死”について深く考えたことはないが、”死”を考えるいい機会となった。身近な人で亡くなったと言えば、曾祖母、祖父母くらいだろうか。幸運なことに、両親も元気で、まじまじと”死”に直面したことはない。しかも、なぜか、両親はいつまでもいてくれていると勝手に思っている。決して、永遠なんてありえないことだけど…ホント両親には感謝。

樹木葬とは、墓石の代わりに樹木を墓標とする墓のこと。樹木葬は、基本的に跡継ぎを必要としない永代供養である。メリットとしては、費用が普通のお墓に比べると安く、お墓のメンテナンスなどもいらない。また、最近は、核家族が増えていく中で、他に誰も家族がいない人や、家族はいるけど、あまり死後に迷惑をかけたくないという人などには、いいのかもしれない。

テレビの中では、お墓というより、公園に近い感じで、毎朝散歩でお参りに来ている方や、ベンチでお昼を食べながら亡くなった方の思い出話に花を咲かせていたりと、様々な人が様々な形で個人を偲んでいた。私が、一番いいなと思ったのは、例え一人で埋葬されたとしても(場所によっては2~3人入ることも可能)、知らない人でも誰かしら来て、お参りをしてくれるという点だ。しかも、この場所では四季折々の花が楽しめるそうで、死後、その木や花の一部になれるのもいいかと。

もちろん、先祖代々決まったお墓に入って、毎年、命日には家族でお参りに来てくれるのも、日本の文化なんだろうけど。そして、そうあるべきなのかもしれないけど。ただ、樹木葬という形は、今の日本人に寄り添った形なのかなとも思った。

ところで、日本では99%以上が火葬だが、ここオーストラリアでは、キリスト教信者が多く、土葬が一般的だと思っていたら、実は火葬の方が多くなっているとか。キリスト教では、死後の復活が信じられており、遺体を焼いてしまうことで復活できないと考えられていたのだが、今は火葬もありとなっている。しかし、友人に日本は火葬が一般的だと伝えるとすごく驚かれた。

この番組を通して、改めて、人はいつ死ぬのかわからないから、毎日をちゃんと生きなきゃなと考えさせられた。もしかしたら、あなたの家族や最愛の人が突然事故に巻き込まれて、明日亡くなるかもしれない。もしくは、あなた自身が突然亡くなりことだってあるかもしれない。絶対に死なないなんてあり得ない。人は必ずいつかは死ぬのだから。”死”を漠然と考えると、怖いものなのかもしれないが、”死”と向き合うことで、いつも不満ばかり言ってる人でも、ありがとうと言えるかもしれない。小さなことでイライラしてしまう人でも、心に余裕を持てるかもしれない。今あるものを受け入れ、毎日を後悔のないように生きよう☺!